まねたり!

ぼんくらリフレ派のゆるい経済ブログ

そもそも消費税増税をすると税収は増えるのか?

 

財源が先か、経済成長が先か

前回さ、消費税を増税すると景気が悪くなるから、不況の時にはしない方がいいって言う話があったじゃん。

うん、マクロ経済的には、不況時の増税はご法度だね。

でもさ、社会保障とかで政府にお金が多く必要な時に、財源が不足しているのであれば、消費税増税もやむを得ないんじゃないの?

確かにそう言う意見もあるね。どうしたん?今日は(笑)。

いや、社会的弱者を救う為に先立つものが必要なら、増税もやむなしなんかなって思っただけさ。そこんとこどうよ?

結論から言うと、増税をすると一時的には財源が確保できるんだけど、長期的に見た場合にはジリ貧になるだけだから、結局余り意味が無いと思うんだよね。そもそも財源確保が増税ありきって言うのは、前近代的な発想何だよね。

前近代?

うん、近代経済学と言うのは前近代と何が違うかと言うと、全体のパイを増やすことに注目した点にあるんだよ。それまでは限られたパイの中から、いかに必要な取り分を全体から奪うか、と言う発想しか無かった訳。江戸時代の年貢とかそうでしょ。農民に与えられた田んぼがあって、最大ここまでお米取れますよって言う見積もりがあって、そこから必要な年貢をいかに搾り取るか、と言う発想な訳。

今もそうじゃないんか?一般庶民は限られた給料の中から税金を搾り取られて。

少なくともマクロ経済的にはそうじゃないのよ。そもそも今はお米じゃなくてお金で税を取るからね。貨幣経済による商業が発達すれば、全体のパイが大きくなる。パイを大きくした上で税金を徴収した方が、ずっと効率的だし、国民も政府もウィンウィンでしょ。これが近代経済学。先に財源じゃなくて、先に経済成長。その後で財源確保何だ。そもそもマクロ経済における税収の計算式って知ってる?

うーん、、、国民全員から徴収した税金を全部足し合わせりゃいいんじゃないの?

まぁそう何だけど(笑)、それを分かりやすい計算式で示すと、「税収=名目GDP×税率」になる。

GDPって?

ざっくり言うと一国全体の売上。名目は額面上の数字と言う意味。より正確に言うと税収弾性値と言う補正値があって、「税収=名目GDP×税率×税収弾性値」何だけど、ざっくり理解する上では「税収=名目GDP×税率」でOK。

へぇ。で?

でね(笑)、増税ってのはこの税率を増やすことになる訳何だけど、消費税を増税したからと言っても、全体のお金の量そのものが増える訳じゃないのよ。

政府の取り分が増えるだけだと。

寧ろ増税すると人々はより節約しようとするから、消費が停滞してお金が回らなくなる。全体のお金の量が増えずに、よりデフレになって物価は下がり続ける。そうなると企業は売上を伸ばせないし、経済全体としてはマイナスになる。税率を増やそうとすると、それ以上に名目GDPが減る訳だから、意味が無いどころかマイナスになるのよ。だからマクロ経済的には不況時の増税はオススメしない訳。

にゃるほど。じゃあ全体のパイを増やすにはどうすればいいと?

基本的には減税と景気刺激策をセットで行うと言うのが解になる。で、ここで言う景気刺激策はお金をじゃんじゃん刷る量的緩和策と財政出動と言うことね。デフレ圧力になるような税を極力減らして、インフレになるように景気刺激策を打つと言うこと。そして経済が活性化して十分経済成長してインフレになってから増税をすればいい。「豚は太らせてから食え」って言うしね。

何それ怖い。おいらを猫缶で養っているのも、将来的に主がおいらを食う為だったりする?

ネコ次郎を飼っているのは単なる僕の趣味だからそこは大丈夫(笑)

■まとめ■
  1. 近代経済学の基本は、全体のパイを増やしてから財源を確保すること。
  2. 税収=名目GDP×税率
  3. デフレ時に増税をすると、それ以上に名目GDPが減るので、全体として税収が増えない。

ぼんくらリフレ派が語る、アベノミクスが完全に成功しなかった理由

 

アベノミクスは失敗だったのか?

おいらの主は経済学的にはリフレ派で、貨幣数量説を信じているんだよね?

まぁそうだね。

お金をじゃんじゃん刷って、モノよりお金の量を増やせばインフレになって経済が良くなる。そう言う主張だよね?

うん、そうだね。

じゃあ聞くけどさ、安倍総理の時にやったアベノミクスでは、正にお金をジャンジャン刷って経済を良くしようと言う経済政策をやったよね。でもあれから大分経つけど、全然景気良くなってないじゃん。ってことは、アベノミクスは失敗で、結局お金をじゃんじゃん刷ると言う経済政策は無意味だったと言うことにならない?

それに関しては色々な見解がある訳だけど、リフレ派としては大体、アベノミクスでお金をじゃんじゃん刷ると言う量的緩和政策自体は成功だったと評価してるんだ。

でも景気良くなってないじゃん。

うん、まぁそう何だけど、僕自身の見解としては、前安倍総理が貨幣数量説とかリフレ政策について本当に理解していたのか疑わしいと思ってるんだよね。

どう言うこと?

と言うのは、アベノミクスでは経済政策に一貫性が無いんだ。量的緩和政策に金融政策、あと財政出動、ここまではいい。唯、その傍ら消費税増税を2回もやったよね。ここがリフレ派の経済学からすると非常に矛盾したこと何だ。そもそも、デフレからインフレに持っていく為に量的緩和をする訳だよ。でも消費税増税は、インフレとデフレのどちらを助長すると思う?

えっと・・・どっちだろ?

じゃあさ、消費税を上げると、人々は消費を沢山しようと思う?それとも消費を控えようと思う?

そりゃ、値段が上がる訳だから、余り消費しないで節約しようとするかな。

うん、モノが消費されないで貯金する傾向が強くなる、と言うことは消費税増税はデフレを促進するんだ。こう言うのを「デフレ圧力がかかる」と言う。量的緩和でインフレにしようとする反面、消費税増税でデフレにしようとする。車で言えばアクセルを踏みながらブレーキを踏むようなものだよ。お互いに相殺し合っちゃって上手く前に進まないんだ。だからアベノミクスは消費税を増税するまでは成功、増税してからは失敗と言えると思う。

なるほど。でも量的緩和って消費税増税を吹き飛ばす程の勢いがあるんじゃなかったのか?インパクトのある政策だと言うことで話題になった訳だし。

リフレ派からすれば量的緩和は効果のある政策ではあるんだけど、効果が出るまでに少しタイムラグがある政策でもあるんだ。一方消費税増税はすぐに景気を吹っ飛ばす勢いがある経済政策。経済的なインパクトで言うと消費税増税の方が強いんだよね。

消費税増税って確かに庶民的には嫌な政策だなとは思うけど、そこまで経済に悪影響が出るもの何かな。

こう言う経済的な議論ってよく、「これは完全に正しい!」「これは完全に間違っている!」って言うセンセーショナルな極論が横行しやすいもの何だけど、論理的には部分否定とか部分肯定で語るのが確実かなと僕は思うんだよね。アベノミクスに関して言えば、「アベノミクスは完全に失敗だったのか?」が一つの大きなテーマで、このテーマに関して言えば、前提である、経済政策の一貫性が欠如しているから、「アベノミクスは完全に失敗だったとは言えない」になる。

消費税増税が無かったらアベノミクスは成功だったと。

そうそう。で、消費税増税が実際に経済に悪影響があったか何だけど、総務省統計局が調査した、消費支出の動向のグラフを見ると、平成26年(2014年)3月から4月にかけてがくんとグラフが下がっていることが分かる。で、消費税を5%から8%に上げたのが、平成26年4月1日何だよね。

消費支出の季節調整済実質指数の動き(各年とも前年平均=100)

 

これは総務省統計局HPの、「統計Today No.84」から持って来たグラフね。

消費支出って?

まぁ一般の家庭がどれだけ消費したかって言う度合いね。これは比較で平成9年(1997年)の3%から5%の消費税増税の影響もグラフ化してるんだけど、全体の消費にマイナスの影響は与えている訳だよ。

2月から3月にかけてグラフが上がってるのは?

それは駆け込み需要。消費税が上がる前に必要なものを買い込まなきゃ!って人々が焦って、一時的に消費が促進される訳。その結果、こう言う上下の起伏の激しいグラフができる。

まるでジェットコースターだな。

そうだね。ジェットコースターみたいな心境だったんだろうね。あと、平成31年(2019年)10月には8%から10%の消費税増税が行われている。その時の消費支出のグラフがこちら。

2019年消費活動指数

 

これは「総務省令和3年版情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済 第1節 コロナ禍で拡大したデジタル活用」から持って来た奴ね。消費活動指数は消費支出と同じ。2019年の9月から10月にかけて、ジェットコースターみたいにグラフが急降下してるのが分かるでしょ。

にゃるほど。2020年の3月位からグラフががくんと下がってるのは?

それはコロナの影響が考えられるね。第1回目の緊急事態宣言がその辺りの時期で、5月に一部を除いて一旦解除されている。コロナの影響が及ぶ前に、これだけ消費支出のグラフが下がるんだから、消費税増税は消費を停滞させる効果が強い訳だよ。

何で安倍さんは消費税増税を行ったんだろう?消費税増税の悪影響を舐めてたのかな。

うん。経済について知ってるようで知らなくて、やりたいこと詰め込んだらそうなっちゃったのかも。もしくは理解してはいたけど、何等かの政治的圧力があって、増税せざるを得なかったのか、そのどちらかかな。真相は闇の中だけど。経済学的には基本的に、増税は好況の時にやるもので、不況時にやるのはご法度何だよ。

じゃあ量的緩和は正しかったと。

さっきも言ったように、完全に正しいとか完全に間違いと言う表現は僕のスタンスとしては極力避けたいんだけど、少なくとも、量的緩和の効果をきちんと検証する前に消費税増税が行われてしまったので、きちんとした評価はできないよね?ってことは確実に言えると思うな。

にゃるほどなー。

■まとめ■
  1. アベノミクスは経済政策が一環していなかったので、個々の経済政策の純粋な評価ができない。
  2. 消費税増税量的緩和政策の効果を相殺してしまう悪手。
  3. 消費税増税は強いデフレ圧力がかかる。

日本は成熟しているから経済成長しなくていい?

 

 

今の日本に経済成長は不要か?

おいらは思うんだ。既に成熟した先進国となっている今の日本に、経済成長は不要なんじゃないかって。

ネコ次郎君みたいに、成長不要論を主張する人は結構いるんだよね。

おいらとしては、猫缶さえ食えればそれでいい訳だし、特にそれ以上は望んでない訳だよ。で、今の日本は既にそれを達成していると思う。既に達成してるのであれば、あとはもうのんびりゴロゴロ生きりゃいいじゃんと思うのさ。だから経済成長は不要な訳さ。

その猫缶を与えているのは僕な訳だけど(笑) でも経済成長しないと、僕みたいな人が職を失って食うに困るようになって、ひいてはネコ次郎に猫缶を安定的に与えることもできなくなるかも知れないんだよ。

それは困るな!

だから経済成長しないといけない訳。

早くも論破された。

高度成長みたいな急激な経済成長じゃなくても、マイルドでいいから経済成長はした方がいいんだよ。

ん?でもそもそも経済成長と職に就けるかどうか何て関係無いんじゃないか?いつの時代だって就活は大変なんだし。

いや、これは関係があることは統計的にはっきり分かってるんだよ。「オークンの法則」と言うものがあって、経済成長率と失業率には負の相関があるんだ。

おーくん?ふのそうかん?

 

一応Wikipediaからパブリックドメインのグラフの画像を持って来たけど、横軸が失業率、縦軸がGDP増加率、つまり経済成長率ね。で、グラフは右下がりになってるでしょ。これは両者が負の相関であること、つまり経済成長率が高ければ失業率は低くなることを表しているんだ。逆に経済成長率が低ければ失業率が高くなることも分かる。

まぁ経済成長が高いと失業率が低くなるってのは感覚的にもそうなんじゃないかって思うしな。

でもさっきネコ次郎君は経済成長と失業率は関係無いって言ってたよね?そう言う風に議論の軸がブレないように、基本的なことも法則でしっかり確認しておく訳ね。

にゃるほど。

経済成長率が低いと失業率が上がるんだから、「成長なんていらない」って言うのは、「失業率上がれ!」って言ってるようなもん何だよ。

そこまで言った覚えは無かったんだが。。。でも不況だろうが何だろうが、仕事さえ選ばなければ就職何て簡単にできるんじゃないか?みんな変に仕事選ぼうとするから、失業率が上がるんじゃないか?最悪フリーターでもいい訳だし。

まぁそれは僕もいくらか同意するけどね。まぁオフィスワークとかそれなりにきつくない、それでいて給料とか安定する仕事にみんな就きたい訳だし、そう言う人が選り好みしているから失業率が上がってるって言うのはあるかもね。で、そう言う人の欲求に応える為に、経済成長して選べる選択肢を増やしましょうって言うのがマクロ経済の基本的なスタンスな訳だよ。

まぁおいらは猫だから、ご主人から捨てられても、他の人に飼われるなり、猫カフェに就職するなり、いくらでも選択肢はあるけどな。今は猫ブーム何だし。

そんなうまい具合に見つかるかなー?

まぁ最悪野良猫でも生きていけるし。

たくましいね(笑)

■まとめ■
  1. オークンの法則で、経済成長率が高いと失業率は低くなり、経済成長率が低いと失業率が高くなることが統計的に分かっている。
  2. 「成長しなくていい」は「失業率上がれ」と言っていることと同じ。

デフレなのは心が豊かになったから?

 

 

モノが売れないのはさとり世代が増えたからか?

デフレでモノが売れないって言うけどさ、単に物欲に余り興味が無い人が増えてるだけでは?

仙人みたいな人が増えて来ただけってこと?

仙人は言い過ぎだと思うけど、まぁ草食系みたいな、さとり世代的な人が増えて来たことが、社会全体の消費低迷に繋がってるんじゃないかなと。

んー、、、なるほど。

実際おいらは、それなりに美味い飯さえあれば後は特に欲しいもの何て無いし。高級猫缶でも普通の猫缶でもどっちでもOK。こう言う、物欲に興味が無い人達のことをマクロ経済ではどう扱うのさ。

基本的には、経済学では人間を「欲望の生き物」として扱うから、そう言うさとり世代な人は経済のモデルからは外れちゃうんだな。

じゃあそれはマクロ経済の盲点だな。おいらは図らずも経済の新説を発見してしまったようだ。さとり世代の増加がデフレに影響を与えている!

(笑)まぁネコ次郎が言うようなことを主張している論者は、他にも色々といるみたいだけどね。ただ僕としては、「欲が無くなった」と言う表現にいくばくかの疑念を抱いてしまうんだな。例えばさ、ネコ次郎君は猫缶なら何でもいいみたいなことを言ってたけど、同じ値段で同じ品質・同じ味の猫缶があったとしてだね、片方は賞味期限ギリギリ、片方は賞味期限に余裕があるとしたら、どっちがいいと思う?

 

そりゃまぁ・・・鮮度がいい方がいいかな。

消費期限に余裕がある方ね。じゃあ、価格も品質も味も同レベルの猫缶があったとして、片方は普通、もう片方は健康に良くて、脳細胞が活性化して頭が良くなったり、血がサラサラになったり、痩せる効果がある猫缶だとしたら、どちらがいい?

そりゃまぁ・・・健康にいい猫缶だな。

なるほど。じゃあ同じ猫缶が二つあったとして、片方はそれ以上特に何も無く、もう片方は松坂牛や星野リゾート宿泊券が当たるかも知れない、抽選券がおまけで付いてる猫缶だったとしたら、どっちが欲しい?

そりゃ・・・当たらないかも知れないけど、何も無いよりは抽選券付きの猫缶が断然いいな。

ほら、欲があるじゃん。

そうだね。まさかおいらにこんなに欲があるとは・・・。

まぁそれが普通何だけどね(笑) 一見物欲に無頓着なように見えても、付加価値が無いものよりは付加価値がある方が欲しいと言うことは、結局欲があると言うこと何だよね。今って昔と違って、コンビニの惣菜にしてもクオリティが高いのが多いし、安さがウリの外食チェーンにしても、プロの料理人が唸るようなレベルのものが多い。だから、全体として商品のレベルが上がって来たから、一見物欲に無頓着な人が多いように見えるだけ、って言うのが結構あると思うんだよね。

そういや吉野家の牛丼も相当試行錯誤して作られたみたいだしな。

さっきの思考実験でも分かったように、付加価値を付けてみたら、付加価値が無いものよりはそっちの方がいいと思う人が大体普通だよね。だからモノが売れないって言うのは、ミクロで見れば、そのお店の経営努力が足りないと言うことになるんだけど、マクロで見た時にこれが全体的に起こっているとしたら、お店の努力不足では無くて、デフレだからだ、と言う結論になる訳だよ。そしてそのデフレが何で起きているかと言うと、貨幣数量説では、モノが多くてお金が不足しているからだ、と考える訳ね。

さとり世代の人が増えたからじゃないのか。

さとり世代の人が増えて来たこと自体は僕は特に否定しないけど、それがモノが売れない決定的な要因とまでは言えないんじゃないかなと思う訳。もしかすると嗜好が多様化してるだけかも知れないし。

しこーがたよーか?

例えば米が売れなくてもパンが売れてるのであれば、米が主食の人が減ってパン食の人が増えてるだけ、と言うことになる訳だよ。米だけ見れば不況だけどパンを見たら好況だったら、食のチャンネルが多様化して、米の支持層がそっちに吸われてると言うことになる。本当に全てにおいて物欲が無い人と言うのは、そうはいない筈何だよ。減量中のボクサーみたいに、何か確固たる意思があって禁欲的な生活をしていると言うようなのでは無い限りはね。

なるほどにゃー。

■まとめ■
  1. マクロ経済学では人間を「欲望の生き物」と考える。
  2. 物に頓着しないと言っても、付加価値が無い商品より付加価値のある商品の方が欲しいと思うのであれば、それは物欲がある証拠。
  3. 社会全体としてモノが売れてない場合、それはお店の努力不足では無く、デフレが影響しているとマクロ経済では考える。

最短で経済通っぽくなるコツ③:お金を沢山刷れば、必ずインフレになる。

 

デフレから脱却するにはどうすればいいか

今はデフレがずっと続いてる訳だが、これはほっとけば何とかなるもん何か?

基本的に、ほっといても何ともならない。だから何とかしないといけないね。

何で?景気って循環するもん何だから、デフレもほっとけばその内インフレになるんじゃない?

まぁそう言う考え方もあるんだと思うけど、前にも言ったように、貨幣数量説ではモノとお金の量のバランスで経済が決まると考える。で、モノはほっとけば増えるんだけど、お金は人工的に刷らないと増えないから、国家が何もしないでいると、お金よりモノがどんどん増えて、どんどんデフレになるんだよね。ヤバし!

モノはほっとけば増えるもん何か?

うん。経済が回ってる以上、モノはほっとけば増える。生産したり輸入したりね。で、人間と言うのは毎年ちょっとずつ賢くなる。どの位かと言うと、とりあえず毎年2%ずつ賢くなるとしよう。そうなると、少ない労力でより多くのものを生産できるようになる。

より効率的なやり方を編み出すと。

そうそう。人間って本来怠け者だから、なるべくならより少ない労力で多くの成果を生み出したいと考える訳。だから毎年2%ずつ賢くなる。すると、やはりどんどんモノが増えて行くよね。だから、モノの増加量に見合った貨幣量を市場に供給しないことには、ずっとデフレの体制が続いてしまうんだよ。

にゃるほど。今は物余りの時代とか言われてるしな。じゃあお金をじゃんじゃん刷ればデフレが無くなると言うことか?

そこは経済の学派によって考え方が違って来るけど、少なくとも僕みたいなリフレ派はそう考える。

リフレ派?

貨幣数量説の考えをベースに、お金をじゃんじゃん刷ってマイルドインフレに持って行こうと言う考えの人達のことをリフレ派と言う。

お金をじゃんじゃん刷れば万事解決と?

エス

凄い単純だな。お金じゃんじゃん刷って副作用は無いんか?

副作用は正にインフレになることだね。でもインフレからデフレに戻すのは割と簡単だから、そんな心配しなくていい。過熱した景気を冷ませばいい訳だから、増税するとか規制を厳しくするとかすりゃいい。

ふーん、そういやアベノミクスでもお金じゃんじゃん刷ろうと言ってたしな。

お金をじゃんじゃん刷る経済政策を「量的緩和政策」と言うんだ。凄く単純だけど効果はあるんだよね。

でもお金じゃんじゃん刷ってた割に、そんなインフレになってないような・・・?

そこは実は識者によって見解が分かれるんだけど、僕は量的緩和自体は上手く行ってたと考えるんだよね。まぁそこは長くなるからまた次回にしよう☆彡

■まとめ■
  1. お金を沢山刷って、モノよりお金の量が多い状態になればインフレになる。
  2. 世の中はほっとけばモノだけ増えてデフレになって行く。
  3. お金を沢山刷ってインフレにする政策を「量的緩和政策」と言う。
  4. 貨幣数量説をベースに、量的緩和政策を支持する考えの人達を「リフレ派」と言う。

最短で経済通っぽくなるコツ②:いいインフレはあるが、いいデフレは無い!

インフレとデフレのどちらがいいか

で、結局、インフレとデフレと、どっちが経済はいいんスか?

結論から言うと、インフレにはいいインフレと悪いインフレがあるけど、デフレは全てのデフレが悪いよ!

何で?デフレって物価が安くなるから、一般庶民にはありがたいような気がするんだが。

それは消費者サイドから見た場合だよね。生産者サイドからすると、安くしないとモノが売れない訳だから、商売あがったりだよね。商売あがったりだと、そこで働く人の給料が下がる。最悪人件費削減でリストラも起きる。それが無限ループのように続くのがデフレ。だからデフレはヤバいんだよ。

でも、インフレだと物価が上がるじゃん。物価が上がると生活に余裕無くなるから嫌じゃん。だからインフレよりデフレの方がおいらにはありがたく思われるんだが、違うんか?

それもまぁ消費者サイドの視点だよね。生産者サイドからすると、高い値段でモノが売れると言うことはその分会社が潤う。会社が潤えばその分、働く人の給料に還元されるから、働く人の収入が増えるよね。収入が増えれば、多少物価が高くても、まぁいいかと思って消費できるでしょ?そう言うこと☆彡

ほぅほぅ。売り手とか働く側からすると美味しいから、物価が上がるのはOKだと。働いたことの無いおいらには無かった視点だな。

消費者の生活感覚で考えると言うのは、一見分かりやすいんだけど視野が狭くて、要するにミクロの視点何だよね。このブログはマクロの視点から経済についてのうんちくを語っていこうと言うスタンス何だけど、マクロ経済的には、経済にとって一番大事なのは、失業者を無くすこと何だよね。デフレと言うのはどのデフレも失業者が増えるから駄目な訳。

猫みたいにニート生活を満喫するのもありだとおいらは思うんだが。

まぁ今は価値観が多様化してるんだけど(笑)、国家としてはなるべく全員に働いて欲しい訳だよ。じゃないと税金も余り入らないし。マクロ的にはニートは推奨できない訳。さっきも言ったようにデフレは会社の経営がその分悪くなる訳だから、人件費削減でリストラが起きやすい。もしくは雇い止め。まぁ今は法的に正社員はリストラされにくくなってるから、新規の雇用が難しくなって、失業者が起きやすくなってる訳だね。逆にインフレだと、基本的に失業率は下がって行く。とは言え、急激なインフレは生活を圧迫するから、それも良くないのは確か。だから緩やかなインフレ、マイルドインフレが一番いい状態、と言うのが経済の基本的な考え方何だ。

でもさー、クオリティがいいにも関わらず物価が安くなったってことは、その分文明が進歩したってこと何じゃない?悟り世代で物欲が余り無い人も増えてるようだし。それでデフレって言われるんなら、デフレでもいんじゃねっておいらは思うんだが。

そこら辺は色々な考え方とか説明の仕方があるんだけど、前回も言ったように、貨幣数量説では基本、お金とモノの量で経済の状態が決まると考える訳。デフレと言うのはモノよりもお金の方が量が少なくて、お金の希少価値が高くなっている状態のこと。じゃあお金とモノと、どっちに価値がある方が健全かと言うと、それは断然モノじゃない?だってお金は所詮紙切れな訳だから。ちなみにここで言うモノとは商品のことね。みんなが一生懸命働いて生み出した商品が、適切な値で売れなくなる。それどころか働く程苦しくなる。この無間地獄よ。これがデフレ。

でもお金があれば色んなモノが買えるじゃん。お金って大事じゃね?

確かにお金は大事何だけど、究極、砂漠のような辺境に自分がぽつんと一人いたとして、お金だけあってモノが無かったとしたらどう思う?嫌でしょ。お金だけあってモノが無かったら、お金の意味無いでしょ。つまり、経済の本質はモノにある訳。でもデフレだと、モノ自体よりお金自体に、皆が必要以上に価値を見出し過ぎちゃってる訳。それだと経済が上手く回らないから、マクロ経済的には、お金よりもモノがいいよねって皆が思う状態に何とか持っていきたい訳よ。

まぁ確かにおいらも、金だけあって猫缶無かったら、猫人生糞だと思うしな。逆に猫缶さえくれれば金何て要らんしな。

(笑)まぁそういうこと☆彡

■まとめ■
  1. デフレは全てのデフレが悪!インフレは急激なのは駄目だが、マイルドなインフレならOK!
  2. デフレになる程失業者が増える。インフレになる程失業者が減る。
  3. お金は所詮紙切れ。経済的にはお金自体よりもモノの価値の方が高い状態の方が健全!

最短で経済通っぽくなるコツ①:経済初心者は貨幣数量説から学ぶべし

貨幣数量説とは?

いやー経済って糞ムズイな。色んな考えがある上に、そもそも経済自体がよくわからん。。。

経済についてはやたら小難しくて、百家争鳴な印象があるけど、先ずは経済について考え方の軸を持つことが大事だよ。経済初心者は特に貨幣数量説について学ぶことをおすすめするよ!

どうも、ぽっと出エコノミストのYamatoです。

経済については色々な考え方があって、初心者はどこから入っていいか戸惑うと思うけど、初心者は貨幣数量説から学ぶのをオススメします。何故なら超絶分かりやすいからです!

ん?かへーすーりょーせつ?

「貨幣数量説」とは、モノとお金の量のバランスで、経済状況が決まるとする考えだね☆彡

よく、経済ニュースでは、デフレがどうとかインフレがどうとか言われますけど、デフレとは物価が下がり続けている状況、インフレとは物価が上がって行っている状況のこと。
これを貨幣数量説から見ると、モノの量が相対的に多くなって、お金の量が少なくなっている状況がデフレ、反対にモノの量が相対的に少なくなって、お金の量が相対的に多い状態のことをインフレと考えます。

つまり、量的に「モノ>お金」がデフレ、「モノ<お金」がインフレです。

今はデフレだけど、何で「モノ>お金」だとデフレにゃんすか?

量が少ないと言うことは、それだけ希少品であり、貴重なものと考えることができるよね。それで、モノよりもお金の量が少ないと、お金の方が希少品になって、人々は貴重なお金を手元に残そうとするから(貯金)、余りモノが買われなくなって物価が下がり、デフレになる、と言う理屈何だよ☆彡

確かに収入が少ない人はあんま買い物しないで節約して、収入が多い人はバンバン消費するしね

それはミクロの観点での考えだよね。それもあるけど、それだけじゃなくて、世の中に流通しているお金の総量が、相対的にモノの量より少ないから、全体としてお金を使う人が減っていて、デフレになっている、とするマクロ経済での考え方が、貨幣数量説何だ!

ん?ミクロ?マクロ・・・?

とりあえず、世の中全体のお金の流通量が少なくなっているから、消費が冷え込んでデフレになっている、と考えておけばおk

このように、貨幣数量説では、飽くまで量のバランスで経済の状態が決まると考えます。

確かに量で決まると考えるのは単純で分かりやすいな。ほんまかいなとは思うけど。で、デフレとインフレがあって、結局経済ってどういう状態がいいんスか?

それはインフレがいいか、デフレがいいかと言う話になるけど、長くなるから今回はここまで!とりあえず良い悪いは置いておいて、貨幣数量説ではモノとお金の量で経済が決まると捉えておいて☆彡

 

■まとめ■
  1. 貨幣数量説では、モノとお金の量のバランスで経済が決まる!
  2. 「モノ>お金」がデフレ、「モノ<お金」がインフレ!
  3. マクロ経済の学説なので、世の中全体の総量で考える!