まねたり!

ぼんくらリフレ派のゆるい経済ブログ

そもそも消費税増税をすると税収は増えるのか?

 

財源が先か、経済成長が先か

前回さ、消費税を増税すると景気が悪くなるから、不況の時にはしない方がいいって言う話があったじゃん。

うん、マクロ経済的には、不況時の増税はご法度だね。

でもさ、社会保障とかで政府にお金が多く必要な時に、財源が不足しているのであれば、消費税増税もやむを得ないんじゃないの?

確かにそう言う意見もあるね。どうしたん?今日は(笑)。

いや、社会的弱者を救う為に先立つものが必要なら、増税もやむなしなんかなって思っただけさ。そこんとこどうよ?

結論から言うと、増税をすると一時的には財源が確保できるんだけど、長期的に見た場合にはジリ貧になるだけだから、結局余り意味が無いと思うんだよね。そもそも財源確保が増税ありきって言うのは、前近代的な発想何だよね。

前近代?

うん、近代経済学と言うのは前近代と何が違うかと言うと、全体のパイを増やすことに注目した点にあるんだよ。それまでは限られたパイの中から、いかに必要な取り分を全体から奪うか、と言う発想しか無かった訳。江戸時代の年貢とかそうでしょ。農民に与えられた田んぼがあって、最大ここまでお米取れますよって言う見積もりがあって、そこから必要な年貢をいかに搾り取るか、と言う発想な訳。

今もそうじゃないんか?一般庶民は限られた給料の中から税金を搾り取られて。

少なくともマクロ経済的にはそうじゃないのよ。そもそも今はお米じゃなくてお金で税を取るからね。貨幣経済による商業が発達すれば、全体のパイが大きくなる。パイを大きくした上で税金を徴収した方が、ずっと効率的だし、国民も政府もウィンウィンでしょ。これが近代経済学。先に財源じゃなくて、先に経済成長。その後で財源確保何だ。そもそもマクロ経済における税収の計算式って知ってる?

うーん、、、国民全員から徴収した税金を全部足し合わせりゃいいんじゃないの?

まぁそう何だけど(笑)、それを分かりやすい計算式で示すと、「税収=名目GDP×税率」になる。

GDPって?

ざっくり言うと一国全体の売上。名目は額面上の数字と言う意味。より正確に言うと税収弾性値と言う補正値があって、「税収=名目GDP×税率×税収弾性値」何だけど、ざっくり理解する上では「税収=名目GDP×税率」でOK。

へぇ。で?

でね(笑)、増税ってのはこの税率を増やすことになる訳何だけど、消費税を増税したからと言っても、全体のお金の量そのものが増える訳じゃないのよ。

政府の取り分が増えるだけだと。

寧ろ増税すると人々はより節約しようとするから、消費が停滞してお金が回らなくなる。全体のお金の量が増えずに、よりデフレになって物価は下がり続ける。そうなると企業は売上を伸ばせないし、経済全体としてはマイナスになる。税率を増やそうとすると、それ以上に名目GDPが減る訳だから、意味が無いどころかマイナスになるのよ。だからマクロ経済的には不況時の増税はオススメしない訳。

にゃるほど。じゃあ全体のパイを増やすにはどうすればいいと?

基本的には減税と景気刺激策をセットで行うと言うのが解になる。で、ここで言う景気刺激策はお金をじゃんじゃん刷る量的緩和策と財政出動と言うことね。デフレ圧力になるような税を極力減らして、インフレになるように景気刺激策を打つと言うこと。そして経済が活性化して十分経済成長してインフレになってから増税をすればいい。「豚は太らせてから食え」って言うしね。

何それ怖い。おいらを猫缶で養っているのも、将来的に主がおいらを食う為だったりする?

ネコ次郎を飼っているのは単なる僕の趣味だからそこは大丈夫(笑)

■まとめ■
  1. 近代経済学の基本は、全体のパイを増やしてから財源を確保すること。
  2. 税収=名目GDP×税率
  3. デフレ時に増税をすると、それ以上に名目GDPが減るので、全体として税収が増えない。