まねたり!

ぼんくらリフレ派のゆるい経済ブログ

ぼんくらリフレ派が語る、アベノミクスが完全に成功しなかった理由

 

アベノミクスは失敗だったのか?

おいらの主は経済学的にはリフレ派で、貨幣数量説を信じているんだよね?

まぁそうだね。

お金をじゃんじゃん刷って、モノよりお金の量を増やせばインフレになって経済が良くなる。そう言う主張だよね?

うん、そうだね。

じゃあ聞くけどさ、安倍総理の時にやったアベノミクスでは、正にお金をジャンジャン刷って経済を良くしようと言う経済政策をやったよね。でもあれから大分経つけど、全然景気良くなってないじゃん。ってことは、アベノミクスは失敗で、結局お金をじゃんじゃん刷ると言う経済政策は無意味だったと言うことにならない?

それに関しては色々な見解がある訳だけど、リフレ派としては大体、アベノミクスでお金をじゃんじゃん刷ると言う量的緩和政策自体は成功だったと評価してるんだ。

でも景気良くなってないじゃん。

うん、まぁそう何だけど、僕自身の見解としては、前安倍総理が貨幣数量説とかリフレ政策について本当に理解していたのか疑わしいと思ってるんだよね。

どう言うこと?

と言うのは、アベノミクスでは経済政策に一貫性が無いんだ。量的緩和政策に金融政策、あと財政出動、ここまではいい。唯、その傍ら消費税増税を2回もやったよね。ここがリフレ派の経済学からすると非常に矛盾したこと何だ。そもそも、デフレからインフレに持っていく為に量的緩和をする訳だよ。でも消費税増税は、インフレとデフレのどちらを助長すると思う?

えっと・・・どっちだろ?

じゃあさ、消費税を上げると、人々は消費を沢山しようと思う?それとも消費を控えようと思う?

そりゃ、値段が上がる訳だから、余り消費しないで節約しようとするかな。

うん、モノが消費されないで貯金する傾向が強くなる、と言うことは消費税増税はデフレを促進するんだ。こう言うのを「デフレ圧力がかかる」と言う。量的緩和でインフレにしようとする反面、消費税増税でデフレにしようとする。車で言えばアクセルを踏みながらブレーキを踏むようなものだよ。お互いに相殺し合っちゃって上手く前に進まないんだ。だからアベノミクスは消費税を増税するまでは成功、増税してからは失敗と言えると思う。

なるほど。でも量的緩和って消費税増税を吹き飛ばす程の勢いがあるんじゃなかったのか?インパクトのある政策だと言うことで話題になった訳だし。

リフレ派からすれば量的緩和は効果のある政策ではあるんだけど、効果が出るまでに少しタイムラグがある政策でもあるんだ。一方消費税増税はすぐに景気を吹っ飛ばす勢いがある経済政策。経済的なインパクトで言うと消費税増税の方が強いんだよね。

消費税増税って確かに庶民的には嫌な政策だなとは思うけど、そこまで経済に悪影響が出るもの何かな。

こう言う経済的な議論ってよく、「これは完全に正しい!」「これは完全に間違っている!」って言うセンセーショナルな極論が横行しやすいもの何だけど、論理的には部分否定とか部分肯定で語るのが確実かなと僕は思うんだよね。アベノミクスに関して言えば、「アベノミクスは完全に失敗だったのか?」が一つの大きなテーマで、このテーマに関して言えば、前提である、経済政策の一貫性が欠如しているから、「アベノミクスは完全に失敗だったとは言えない」になる。

消費税増税が無かったらアベノミクスは成功だったと。

そうそう。で、消費税増税が実際に経済に悪影響があったか何だけど、総務省統計局が調査した、消費支出の動向のグラフを見ると、平成26年(2014年)3月から4月にかけてがくんとグラフが下がっていることが分かる。で、消費税を5%から8%に上げたのが、平成26年4月1日何だよね。

消費支出の季節調整済実質指数の動き(各年とも前年平均=100)

 

これは総務省統計局HPの、「統計Today No.84」から持って来たグラフね。

消費支出って?

まぁ一般の家庭がどれだけ消費したかって言う度合いね。これは比較で平成9年(1997年)の3%から5%の消費税増税の影響もグラフ化してるんだけど、全体の消費にマイナスの影響は与えている訳だよ。

2月から3月にかけてグラフが上がってるのは?

それは駆け込み需要。消費税が上がる前に必要なものを買い込まなきゃ!って人々が焦って、一時的に消費が促進される訳。その結果、こう言う上下の起伏の激しいグラフができる。

まるでジェットコースターだな。

そうだね。ジェットコースターみたいな心境だったんだろうね。あと、平成31年(2019年)10月には8%から10%の消費税増税が行われている。その時の消費支出のグラフがこちら。

2019年消費活動指数

 

これは「総務省令和3年版情報通信白書 第1部 特集 デジタルで支える暮らしと経済 第1節 コロナ禍で拡大したデジタル活用」から持って来た奴ね。消費活動指数は消費支出と同じ。2019年の9月から10月にかけて、ジェットコースターみたいにグラフが急降下してるのが分かるでしょ。

にゃるほど。2020年の3月位からグラフががくんと下がってるのは?

それはコロナの影響が考えられるね。第1回目の緊急事態宣言がその辺りの時期で、5月に一部を除いて一旦解除されている。コロナの影響が及ぶ前に、これだけ消費支出のグラフが下がるんだから、消費税増税は消費を停滞させる効果が強い訳だよ。

何で安倍さんは消費税増税を行ったんだろう?消費税増税の悪影響を舐めてたのかな。

うん。経済について知ってるようで知らなくて、やりたいこと詰め込んだらそうなっちゃったのかも。もしくは理解してはいたけど、何等かの政治的圧力があって、増税せざるを得なかったのか、そのどちらかかな。真相は闇の中だけど。経済学的には基本的に、増税は好況の時にやるもので、不況時にやるのはご法度何だよ。

じゃあ量的緩和は正しかったと。

さっきも言ったように、完全に正しいとか完全に間違いと言う表現は僕のスタンスとしては極力避けたいんだけど、少なくとも、量的緩和の効果をきちんと検証する前に消費税増税が行われてしまったので、きちんとした評価はできないよね?ってことは確実に言えると思うな。

にゃるほどなー。

■まとめ■
  1. アベノミクスは経済政策が一環していなかったので、個々の経済政策の純粋な評価ができない。
  2. 消費税増税量的緩和政策の効果を相殺してしまう悪手。
  3. 消費税増税は強いデフレ圧力がかかる。